プロジェクトが外部ライブラリやツールに依存している場合、Doxygenを実行するたびにこれらのすべてのソースを含めない方が良い理由はいくつかあります。
外部パッケージとそのドキュメントの著作権が他者にある場合、プロジェクトのドキュメントにコピーを含めるよりも、それを参照する方が良い、あるいは必要になることがあります。著作者が再配布を禁止している場合は、これが必須となります。著作者が再配布の前提条件として何らかのライセンス条件への準拠を要求し、その条件に拘束されたくない場合は、自身のドキュメントのコピーを含めるよりも、彼らのコピーを参照する方が望ましいです。
上記のいずれかに該当する場合、Doxygenのタグファイルメカニズムを使用できます。タグファイルは基本的に、外部ソースで見つかったエンティティのコンパクトな表現です。Doxygenはタグファイルを生成することも読み取ることもできます。
プロジェクトのタグファイルを生成するには、設定ファイルのGENERATE_TAGFILEオプションの後にタグファイルの名前を指定するだけです。
1つ以上の外部プロジェクトの出力を自分のプロジェクトと結合するには、設定ファイルのTAGFILESオプションの後にタグファイルの名前を指定する必要があります。
タグファイルには通常、Doxygenが実行された地点からのドキュメントの相対的な場所のみが含まれます。そのため、他のプロジェクトでタグファイルを含める場合、外部ドキュメントがこのプロジェクトに対してどこに配置されているかを指定する必要があります。これは、TAGFILES設定オプションの後に指定されたタグファイルに(相対)場所を割り当てることで設定ファイルで行うことができます。相対パスを使用する場合、それはプロジェクトのHTML出力が生成されるディレクトリに対する相対パスである必要があります。つまり、プロジェクトのHTML出力ディレクトリから、リンクされる他のプロジェクトのHTML出力への相対パスとなります。
projというプロジェクトが、ext1とext2という2つの外部プロジェクトを使用しているとします。ディレクトリ構造は次のようになります。<root> +- proj | +- html HTML output directory for proj | +- src sources for proj | |- proj.cpp +- ext1 | +- html HTML output directory for ext1 | |- ext1.tag tag file for ext1 +- ext2 | +- html HTML output directory for ext2 | |- ext2.tag tag file for ext2 |- proj.cfg Doxygen configuration file for proj |- ext1.cfg Doxygen configuration file for ext1 |- ext2.cfg Doxygen configuration file for ext2
OUTPUT_DIRECTORY = proj
INPUT = proj/src
TAGFILES = ext1/ext1.tag=../../ext1/html \
ext2/ext2.tag=../../ext2/html
ext1.cfgOUTPUT_DIRECTORY = ext1 GENERATE_TAGFILE = ext1/ext1.tagext2.cfg
OUTPUT_DIRECTORY = ext2 GENERATE_TAGFILE = ext2/ext2.tag